少し残念だった遺跡公園

けんちゃんの大好きなお散歩コース

「遺跡公園」

芝が植えられた広場に縄文時代の遺跡の模型が置かれています。

この辺を開発した頃に、縄文時代の遺跡が出土したので、

発掘した後に、記念公園として作られたもののようです。

ちなみにこの公園でも、普通の公園と同じように、

「犬の放し飼い禁止」「散歩時にはリードを付けて下さい」

となっています。




話は逸れますが、個人的に、

昔と違って子供が走り回れる広場って少なくなっていると思います。

人工的に作られた広場や公園はいっぱいあるものの、

大人の私が見ても、何となく不自然。

人造物なんだから当たり前なんだけど。

でも、この遺跡公園、人工的な公園ではあるけど、

比較的、昔の原っぱ風な公園なんです。

模型はあるけど、低木が多いことや、ちょっとした起伏があることから、

子供達が自分でルートを考えて木の間を抜けて走り回ったり、

隠れたり出来る「原っぱ風」。

だから、昼間の時間帯には小さな子供達が

走り回ったり追いかけっこしたりして遊んでます。




そして、ご近所には犬を飼っているお宅も多く、

多くのワンコの散歩コースにもなっています。




私個人の意見ですが、

「公園ではワンコより人間が優先されるべき」

だと思うのです。

人間もワンコも同じ生き物だけど、

公園はワンコの為に作られたものではなく、

人間の為に作られたものなのです。




私はそういう考え方を持っているし、

「犬」には「人間」以上に「絶対」は無い

と考えています。

だから、公園でも「ドッグラン」以外では絶対にリードを外しません。

伸縮リードも人が居る場所では使いません。




誰も居ない遺跡公園でけんちゃんに伸縮リードを付けて

「フェイント&ランニング」

で遊んでいました。




そこへ、私より年配のご夫婦が2匹のトイプードルを連れてやって来ました。

軽く会釈をしました。

飼い主さんとワンコは私達が遊んでいた広場の隣の広場に行きました。

「あっちで遊ばせるんだ。」

って思った瞬間。

何故かトイプードルのリードが外れていました。

そして、飼い主さん達は地べたに座り、

ボールやフリスビーを投げて

「取って来い」

を始めたのです。

目を疑いました。




確かによく訓練されているワンコのようで、

ジャンピングキャッチしたり、

ある程度遠くまで行っても必ず戻っておもちゃを返していました。

笛付きボールも使っていました。

隣の広場で遊んでいたけんちゃん。笛の音にも誘われて、羨ましそうに見ていました。

でも、けんちゃん、偉かった。

吠えてアピールすることもなく、ガマン。

私との「走るだけの遊び」でガマンしてくれました。

けんちゃん、本当にあの時はいい子だった!!




そこへ、おじいさんに抱っこされた赤ちゃんがお散歩に来ました。

赤ちゃんにとっては犬が珍しかったらしく、

おじいさんは赤ちゃんに犬をよく見せようと、

トイプードル達に近づいて行きました。

飼い主さん達は赤ちゃんが近づいても、犬にリードを付けることはありませんでした。

その時は、何事も起きず、トイプードルと飼い主さんは帰って行きました。

さすがにリード付きでしたが。




その後、おじいさんはけんちゃんを見せようと近づいて来ました。

私は伸縮リードではなく、通常のリードに付け変えました。




赤ちゃんは犬が少し怖かったようですが、

けんちゃんはおじいさんの足元に近づいて、

吠えることなく赤ちゃんの顔を見ていました。

赤ちゃんキラーの本領発揮です。

最後には赤ちゃんに笑顔が出ました。

ワンコが怖いという気持ちが少し減ったかな?




話が大分逸れましたが、

私には

「ノーリード禁止の場所でノーリードにする」

飼い主さんの考えが判りません。

自分の愛犬を信じる気持ちはみんなあるし、信じてなきゃ一緒に暮らせません。

でも、それとこれとは違うと思うのです。




以前、「犬が苦手」な方がおっしゃってました。

その方は、ご自分の娘さんがワンコを飼っているのですが、

赤ちゃんが生まれてワンコの世話が難しいので、一時的にお嬢さんのワンコを預かっているそうです。

お嬢さんのワンコなので、その方はそのワンコは平気だけど、基本的に犬が苦手なので、

お散歩でも他の犬に会わないような時間やコースを選ぶようにしているそうです。

ウチは、たまたま出会いがしらにバッタリ出会ってしまって、

けんちゃんとそのワンコ(アンディちゃん)が凄く仲良しになったので、

飼い主さんとお話することが出来ました。

飼い主さんが

「犬が苦手なんです。」

とおっしゃったので、

「私も、実は子供の頃、犬が怖かったんです。」

と打ち明けました。

私、泣きながら逃げる位に本当に犬が怖かったんです。

その方もそういう話をする機会が無かったのか、

色々お話して下さいました。

「『ウチの犬は大丈夫ですよ』って言う飼い主さんが居るけど、

『大丈夫』っていうのは人によって違いますもんね。」

とおっしゃったのが印象的でした。




何故、この話を書いたかと言うと、

先程のトイプードルの飼い主さんが愛犬を信頼してて、

「子供にちょっかい出すなんて思ってもいないんだろうな」

と思ったからです。

いわゆる「ウチの犬は『大丈夫』ですよ」って思ってると思うんです。

赤ちゃんを連れていたおじいさんが、どの程度犬に慣れているかどうかは分かりません。

でも、トイプードルは賢い上に意外に力が強く、足も速い。

もし、おじいさんや赤ちゃんが何も知らず、

あのトイプードル達にとってどうしてもイヤなことをしてしまったら。

凄い勢いで吠えまくり、パンツの裾を引っ張ったり、

逃げれば追いかけるかもしれません。

そんな状況になった時に、あの飼い主さん達はどうするつもりなんだろう。

自分たちで捕まえて抑えることが出来るのか。

おじいさんや赤ちゃんがもし怪我をしたらどうするのか。

小型犬だってその力は人間以上なんです。




「放し飼い」は確かに理想だし、

人間と犬の信頼関係があれば成り立つことかもしれません。

でも、一般の飼い主さんみんなが自分の愛犬との間に

それ程に強い信頼関係を築けているのでしょうか。

少なくとも私はそこまで強い信頼関係がありますとは言えません。




だから、公共の場であり、子供やお年寄りが居る可能性が高い公園には必ず

「犬を放し飼いしないで下さい」「散歩時はリードを付けて下さい」

と明記されていると思うのです。

犬と人間のトラブルを避けるための最低限のルールだから明記されていると思うのです。




それをどうして守らないのか。それとも守れないのか。

不思議で仕方ないし、その考えが判りません。




そして、もしトラブルが頻発したり、大きな事故が起こったら、

今まで犬が入れた施設に入れなくなるかもしれません。



犬はかなり賢いと思います。

人間はその特性を利用して犬を生活に役立てて来ました。

一度「これはいいんだ」と覚えてしまったら、

そうそう簡単に教育し直すことは難しいと思います。



その時、あの遺跡公園はノーリードで遊べると教えられたトイプードルに

もう遊べないんだと教え直すことが出来るんでしょうか。

一度「ここはノーリードで遊べるんだよ」と教えられたトイプードル。

彼らには何の罪もありません。

飼い主さんのマナー違反やルール違反で、

本当に悲しい思いをするのは、「犬」だと思います。



偉そうなことを言いましたが、愛犬が悲しい思いをしないように、

最低限のマナーやルールを守ってみませんか。