けんちゃんの怪我

初めてのゲレンデ遊び♪(後編・けんちゃん初スキー)の残念な続きです。


けんちゃんと「実走スキー」に何回か成功して、いい気になっていた私は、
「ハイクアップの時も歩かせてみよう」
と余計な事を考えてしまったのです。


けんちゃんは、「動くもの」が大好き。
その性格を軽んじていたのです。


ハイクアップ時に、スキーを持ち上げて下ろした瞬間、
けんちゃんが予想以上に近づいて来てしまったのです。


「キャン!!」

けんちゃんが鳴きました。


言い訳になるかもしれませんが、
「本当に痛い時の『キャン』では無い」
と思いました。


そのまま、ハイクアップを続け、
また一緒に滑りました。


しかも、今までのゴール地点で止まったところ、
こっちに振り返って
「もっと、行こうよ」
と誘っていました。


で、もう少し滑りました。


「もっと、滑るなら、そろそろハイクアップしないと」

と思い、抱っこしました。


!!!!


「足から血が出てる!!」


その時、ダンナとは別行動していたので、ダンナを探し、
二人で傷の様子を確認しました。


血を洗い流して、よく見てみると、
右前足の中指と薬指の間の指の股に裂傷がありました。


さっきの「キャン」はこれだったんだ。


涙が止まりません。


少し、気を落ち着けて見てみたところ、
素人目には、
傷は「皮膚」だけの様で、肉や血管に達しているとは思えませんでした。


急いで帰り支度をし、いつもお世話になっている病院に電話して、事情を説明。

「応急処置で、オロナインでいいので、とりあえず殺菌作用のあるものを塗って下さい。」
「出来れば、病院に来てください。」
「もし、家に帰る頃になっても血が止まらないようでしたら、明日病院に来てください。」


幸い、高速に乗る前に、オロナインと綿棒を買うことが出来、
応急処置は出来ました。
このとき、既に、血は殆ど止まっていました。


車を飛ばしてもらって何とか病院で診て貰えました。


先生の判断では、
「スパって切れてるから、そこまで痛くはなかったでしょう。もう、血も止まってるし。」
「でも、指はよく使う箇所なので、念のために縫合しましょう。」
とのこと。


そして、
「今、こんなに元気だし、怪我で精神的に参ってる様子もないし、大丈夫ですよ。」
と泣き顔の私を励ましても下さいました。



緊急手術になりました。
その場で私達は帰宅して家で待機。


手術後、先生から連絡があって
「手術は無事成功したし、麻酔も覚めて、名前呼ぶと「しっぽ振って喜んでます」」
「あとは、看護師さんが通ると、吠えて呼んでます」


いつものけんちゃんに戻ってたみたいでした。
1泊して、昨日(2月21日の日曜日)退院でした。


家に帰って来て、薬が効いているのか、安心したのか、すぐに眠り始めました。



けんちゃんの寝顔を見て、何度も泣きました。
私が、欲張らなければ、「楽しいスキー」だけで済んだのに。

手術自体は、悪く言えば「皮の縫合」なので、簡単なものだし、
怪我だから、化膿さえ気を付ければ大したことじゃないかもしれません。


だけど、怪我をさせて、痛い思いと怖い思いをさせたのは、私のせい。
悲しい。

いつものことながら、ダンナとも大分言い合いました。
ダンナは、超現実主義なので、

「私の失敗を責めることはしない」けど、
私の気持ちにまでは気が回らなくて、

「今、泣いても何も解決しないし、
私が悲しむことがかえってけんちゃんにストレスをかけるんじゃないのか」

と言われました。

確かに「泣いても何も解決しない」と思います。
彼なりの慰め方だったのかもしれません。


でも、「原因を作った私」には、
「自分を許すことが出来ない」のです。


彼には、もう少し、変わって欲しいと思います。
私が変わらなくてはいけないのかもしれませんが。


「けんちゃん、
本当に、本当にごめんなさい。」